News & Topics

「ひとよ」上演について 桑原裕子挨拶

ごあいさつ

 

 「ひとよ」は今年2月に上演した「往転」同様、2011年に描いた作品です。

 震災の影響を受けて描いた作品を、今年、この大変な時期に再演するとはなんとも皮肉です。しかし逆に、再び動き出さねばという時にこの作品をやれることがありがたく感じます。

 

 「往転」はつまずきの物語でした。つまずいて初めて気づく深い心の傷や、つまずきから生まれた出会い、再会。人生つまずきたくないけれど、悪いことばかりじゃないはずだから、急ぎ足で走り続けることから立ち止まってみないかという想いも、そこにはあったように思うのです。

 

 が、今年、世界中が強引に立ち止まらされ、誰もが再び歩き出す怖さを感じてるなかでのリスタートは、やはりそう生易しいものじゃないと痛感しています。加えて今は、9年前よりさらに社会全体がギスギスしてると感じます。頼るべき大人が、自分だけのために嘘や隠し事を繰り返しているからです。

 

 だから今こそ私は、渡辺えりさん演じる「母ちゃん」に逢いたいのです。母という愛の怪物が、大人として重い荷物を一身に背負いながらも、明るい笑顔で、ものすごい覚悟と生命力で私たちのもとに再び帰ってきてくれるのを、待っています。

 

 本来であれば今年2020年は、渡辺えりさんを中心に『女々しき力』という女性劇作家たちのプロジェクトを行う予定でした。座・高円寺で上演を予定していた『ひとよ』もそのプロジェクトの一環で、KAKUTAにえりさんが、3○○に桑原が出演するという、大変な、しかしやりがいの溢れる面白い企画になるはずでした。しかし、コロナ禍において残念ながら延期になりました。

 

 『ひとよ』の公演開催も危ぶまれましたが、上演時期を少しでも先に延ばして安全に公演を打てるようにという考えから、お借りしていた座・高円寺から本来3○○が上演する予定だった本多劇場へと会場を移させていただき、8月から9月へ上演時期をずらして、KAKUTAは上演させていただくこととなりました。

このような特殊な状況に寛容な対応をしてくださった、座・高円寺さんに、そして本多劇場さんに、心から感謝しています。

 このお力添えに応える意味でも、しっかりと対策し、無事に幕を開けられるよう、劇団員一同で努めて参りたいと思います。

 

 チケット予約が始まりました。

 大声で、みんな見にきてください!というのはまだ不謹慎なのでしょうか。

 ですがわたしたちは、そのための対策を丁寧にしていきつつ、皆さんのお越しをお待ちしています。劇場で皆様と会えることを心から願って。

ご予約お待ちしております。

 

KAKUTA 桑原裕子

<< 『ひとよ』劇団先行Web予約(東京公演のみ)のお知らせ | 「ひとよ」をご観劇いただくお客様へ【7/6更新・随時更新予定】 >>
新着ニュース
カテゴリ
メンバー別
過去の記事
RECENT COMMENT